ジャージーボーイズ2014年10月02日 20:40

男性の声はバリトンが一番、高い声の主はどうも苦手、という私にとって、「シェリー」の歌は昔からあまり好みではなかったが、こうして四人組が誕生するまでのストーリーを見ながら聞くと、なかなか楽しく、しばらく自分でも自然にメロディが口から出てしまう。日本でも、パラダイスキングをはじめ、いろいろな歌手が歌っていたことを思い出す。
クリント・イーストウッドって、やはり映画づくりがうまいなと思った。出演者が観客に向かって話しかけるという珍しい手法もなかなか効果的だったと思ったが、ブロードウェイの舞台でも同じパターンだったらしい。
この映画、さすがに観客はじいさん・ばあさんばかり、若い人には面白くない映画だろうと思う。劇場の上映期間もすぐ終わりの様子。

「蜩の記」2014年10月09日 21:38

新聞紙上の映画評に惑わされるな、という教訓をまた得てしまった。どこかで聞いたような御家騒動の話を、いろんなところから寄せ集めたような、どう考えてもあり得ないような馬鹿げた話がだらだらと続き、睡魔と闘うことになる。黒沢明の弟子たちがつくった映画という証明は、やたらと大雨が降るシーンで思い起こすだけ。一緒に観たステントマンが「あー、つまらなかった!」と叫ぶように言ったが、全く同感!
岡田准一も単なる「人寄せパンダ」のような感じである。
原作は読んでいないが、それがおもしろくないのか、脚本が悪いのか、あるいは演出のせいか…分かったことはただ一つ、失敗作が多かった黒沢明の晩年の映画を手伝った人たちの映画だということだけ。

Windows72014年10月15日 22:41

WindowsXPのサポート終了を機に、Macに乗り換え宣言をして半年あまり、Mac愛好者の気持ちはある程度は分かるようになった。しかし長年使い慣れたWindowsへの未練は断ちがたく、というよりネット接続していないパソコンでXP用ソフトを使う不便さ負けて、ついに助っ人I氏の力を借り、XPが乗ったデスクトップの中のHDDを外し、新しいHDDを設置、その上にWin7をインストールした。ソフトは古いバージョンでも結構使えそうだが、年賀状ソフトは、だいぶ古いもののせいかうまくいかず、ネットからダウンロードでアップグレード版を買う。ネットで何でも即座に買えて便利な世の中だけれども、こういうことも日本の経済に影響を与えているのだろうなあ…

「グレース・オブ・モナコ」2014年10月20日 20:08

「ニコール・キッドマンがグレース・ケリー?」という疑問がまずあって、わざわざ観に行く気はさらさらなかったが、巷の評判はすこぶるいいようなので(懲りていない!)観に出かけた。まずニコール・キッドマン、評判のように、全然似ていないのに、グレース・ケリーのように見えてくるから不思議。
ストーリーはちょっと無理がある感じだが、ヒッチコック、ドゴール、オナシス、マリア・カラスなどの実在の人物が次々と出てくるのを面白くみた。みんなあまり似ていない。特にドゴールは全くイメージが違っていた。しかし、その中で、マリア・カラスは、メイキャップのおかげもあったろうが、なかなかよく似ていて、彼女の歌う(本物のマリア・カラスの声)プッチーニ「私のお父さん」を楽しんだ。

「ご近所マクベス」2014年10月27日 00:55

METライブビューイングの「マクベス」のチケットをそろそろ買おうかなと思っていた矢先、地元で「マクベス」を観るチャンスに恵まれた。
「ラ・ジェンマ」という会の主催する本格的な全4幕イタリア語上演のオペラである。友人の知り合いがマクベス夫人を歌うということから知ったのだが、宣伝もほとんどなく、一体どんなものやらという気持ちで出かけたところが正直なところ。
しかし、まず魔女登場の最初のシーンから、素晴らしい合唱に驚く。たった7人の魔女だったけれども、衣装もそれらしくなかなか魅力的。マクベスとバンコーもちょっと衣装が貧弱だったけれどもいい声をしている。そして誰よりも、マクダフを歌ったテノールの声が素晴らしかった。
悲惨なストーリーだけれども、どのメロディもみんな好きなので、歌手の本格的な歌いっぷりを楽しみ、華やかさは期待できないけれども、お安いチケットで、地元の劇場でのこうした経験に満足した夜でした。