「レオナール・フジタとモデルたち」@ DIC川村記念美術館2017年01月07日 15:35

フジタの作品であれば、どこへでも飛んで行きたい私だが、千葉県佐倉市ともなれば、ちょっとした小旅行、我が家からは電車で2時間半はかかりそう…。そんな私にステントマンが同行し、車で行ってくれることになった。
まず、その美術館の立派さにびっくりした。高速を降り、いかにも千葉県といった感じの平地を30分ほど行くと、別天地のようなきれいに整地された林の中の公園にたどり着く。きれいに手入れされた樹木のなかを行くと大きな池には白鳥が…。まるでマリー・アントワネットの世界だ。
肝心のフジタの作品は、なんといっても「アンナ・ド・ノアイユ」だ。フジタ流にほんの少しデフォルメされた顔がそのモデルの人間性をよくあらわしている。モデルが奔放に過ぎて未完成に終わったそうだが、大きな白い背景もこの絵の素晴らしさを際立てていると思った。
フジタのモデルといえば乳白色の肌の裸婦を思うが、今回の作品展には、レスラーや相撲取りを題材とした群像などの大きな作品群が並び、フジタの作品展の中ではめずらしい試みも一つの売りになっているらしいが、その辺はあまりピンと来なかった。フジタの作品は、裸婦、子供、猫という私の思い込みのせいかもしれない。
フジタの絵画のみならず、めがねや当時の雑誌のフジタ掲載面等、興味を引かれるものが多かった。パリ郊外のフジタ最後の地ヴィリエ・ル・バクルを訪ねた折りに日用品に交じって東芝の電気釜があった事をまた思い出した。
公園内にあるイタリアン・レストラン、これが雰囲気も味もなかなかのところでメッケモノ、アルデンテに茹で上げたスパゲティと自家製のパンはなかなかのもので、わざわざ東京の西端から千葉県までやってきた甲斐があった、と同行者ともども大満足の一日でした。