ポトフ(Pot-au-Feu)2017年06月22日 01:52

いまから15年くらい前だろうか、やはりステントマンとパリに旅をしたとき、今回の旅の最後のレストラン「Chez Paul」に行った。その時にはメニューにあった「ポトフ」を注文、しかし大きなお肉を食べるのでお腹がいっぱいになって、大量にスープを残し、ウエイターは「下げていいの?」と残念そうに聞くし、ステントマンにも「おいしそうなスープだったのに」などと言われ、「ああ、ちゃんとスープも残さず飲むべきだった」と、それがずっと頭に残っていた。
今回、同じレストランで、偶然に、まったく同じ席に座り、勇んでメニューを見るが、夏のメニューには「ポトフ」は載っていなかった。しかしウエイターに聞くと、「ある」という。さっそく、今度こそはスープも残りなく飲んでやろうと意気込んでいたら、なんとやってきたのは鍋そのもの、「えっ? こんなものだった?」と唖然としてしまう。でも「ポトフ=Pot-au-Feu(火にかけた鍋)」ということだからこれで正解だ。昔はもっと品よく深いスープ皿に入っていたと思うがなあ…と思いながら、骨の中のゼラチン質の髄をすすり、厚い大きなお肉を食べたら、やはりあまりスープも飲めないままに終わってしまった。
昔、飲まなかったスープは、頭の中で、ずっと、おいしいおいしいスープとして存在していたのに、その夜の現実のスープはあまりおいしいとはいえないものだったというわけだ。
友人たちもステントマンも、けっこう大きな鍋を相手に奮闘している私を笑いながら見ていたっけ…i

チーズの税金2017年06月30日 11:28

フランスに行けば、お土産の定番はチーズだ。日本での値段より三分の一ぐらいで買えるチーズ、お味も日本製とは桁違いに美味しい。
いま、(EU)の経済連携協定(EPA)交渉で、日本側が29.8パーセントもの関税を保持しようと頑張っている。
チーズといえばフランス製と思う我々にとっては、せめて関税をなくしてもらえれば、おいしいカマンベールがもう少し安く食べられるのに…というところだが、だが待てよ!関税は30%弱だが、日仏のチーズの価格差は3倍(ものによっては5〜6倍)もある。ということは、関税がゼロになってもまだ2.7倍以上の値段ということになる。
現に北海道でつくっている国産のブルサンチーズがスーパーで580円するが、同じサイズのブルサンはパリのカルフールでは1.7€(128円換算で218円)、日本でつくっている仏ブランドのブルサンが輸入品並みに高い、ということは、つくる側が不当に利益を上げていないとしても製造コストがかかり過ぎなのだろうか。我々消費者は美味しいものを安く食べたい。
いずれにしても、日本の酪農家にとっては辛い成り行きになるということだろう。せめて、日本製のチーズがもう少し本場の味に近づけばいいのに…