「セールスマン」2017年07月07日 09:08

ファルハディ監督「セールスマン」のイラン映画はいつも評判になることは知っていたが、中東世界の国情等を考えると何となく億劫で、観に行く機会がなかった。
今回、また友人からのチケットのプレゼントがあったことがきっかけでいそいそと出かける。
最初は、住居のビルにひびが入って崩壊しそうだというので主人公夫婦をはじめ住民たちが家財道具を運んだり、病気の人を背負ってビルから脱出するというシーンから始まった。説明が全くないので、「なに、これ? 爆撃か何か?」と思ってしまったが、そういう極限状態の話ではない。そして、その詳しい状況はよく分からない。とにかく主人公夫婦は違うアパートに引っ越しをし、そこの前の居住者は売春婦で…ということで話は始まる。
ところが、なんと、すぐに睡魔におそわれてしまった。まったく分からないペルシア語も子守唄に聞こえてしまう。しかし、幸いなことに、映画を観ている時に眠くなったことがないと豪語するステントマンと一緒だったので、あとでゆっくりと聞いて、睡魔と闘っていた最初の肝心のシーンを補い、全ストーリーを理解した。
クライマックスは、民族の違いというか、価値観の違いというか、宗教のせいというか、前提として日本及び西欧とは全く違う発想で物事を考える部分の理解なしには分からない。例えば、冒頭の家屋取り壊しも住民がいる時に一方的に行われることなど日本では考えられない。レイプされたら被害者の方が隙があったと批難をされる社会、男性優位で家長の名誉が第一という価値観が一般的ということを知らないと話の展開について行けない。しかし、普遍的テーマである人の生き方、信条という部分では、観客にいろいろ考えさせる展開だ。
なるほど、こういうふうに観客に考えさせるテーマを与える監督なのね、と勝手に納得。
ところでこの映画の原題は何というのだろう。やはりこれは劇中劇と同じ「セールスマンの死」にするべきでしょう!!

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