DVDの「ホフマン物語」2017年07月19日 17:38

昨年11月、現地で観たロイヤル・オペラ・ハウスの「ホフマン物語」のDVDが7月7日に発売された。さっそくオンライン購入し、amazon経由で¥2500ぐらいのDVDが10日後に航空便で到着した。
オッフェンバック没後100年に当たる1980年に、プラシド・ドミンゴ主演で初演されたプロダクションで、これが最後の上演らしい。実におもしろい舞台で、ホフマンの最初の恋人(実は機械仕掛けのお人形)オランピアが活躍する場面では、笑いっぱなしだった。
もう一度、あの愉快なシーンを観たいという気持ちでDVDをセットする。しかし、いま一つおかしくないし、あの夜の興奮が伝わってこない。もちろん小さな画面と生の舞台との差はあるだろう。しかしなぜこんなに印象が違うのだろうと考えてしまう。
録画ではアップの場面が実に多い。遠くから見ていると、ホントに機械仕掛けのように見えるオランピアも、アップされると人間にしか見えないし、全体の場面があってからこその演技がそこだけ大きくアップされるとおもしろくないのだ。
これはいつも録画のDVDを観ると感じていたことだったが、これほどまでに差があるとは! オペラしかり、歌舞伎しかり、コンサートも、スポーツ観戦もみな同じことだろう。
というわけで、楽しみにしていたDVD、ちょっとがっかりだった。 それにしても、有名な美しい『舟歌』、小さいときから耳に残っているあの健全なイメージの唄が、実際は酒池肉林的なシーンでの愛の唄だということを改めておもしろく思った。