色絵のお皿2018年01月01日 22:59

「明けましておめでとうございます」
我が家の食器はほとんどが染付で「ブルー&ホワイト」の世界、しかし元旦の祝い膳には飛び切りの色絵のお皿が登場する。正直言って、色彩豊かな正月料理にはあまり合わないかな、などと思いつつ、色絵で「めでたさ」を強調している次第です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

額賀澪「ウズタマ」2018年01月07日 23:33

日本経済新聞の書評で「小説を読むことの喜びが立ち上がってきて、その至福に包まれる」と絶賛されているのを読み、その至福を味わってみたいと購入した。 主人公が子供の時の1995年と現代の2017年が交互に描かれ、読者の興味をどんどん引き込む手法はうまいと思ったが、「至福」となると、ネットのレビューに出てくる「涙、涙」も一滴も出なかったし、私には適さない言葉だと思った。

新年会2018年01月15日 00:39

町会の新年会には「なるべく着物で出席しよう」と決めているが、1年に1回ぐらいの着物挑戦なので、今回もいつものように悪戦苦闘! 開始時間ぎりぎりに帯揚げがぐちゃぐちゃのままに会場に到着、茶道の先生 に直していただいた。

「収容所から来た遺書」2018年01月25日 23:19

前々回の記事では「至福の時をすごした」と新聞で評された小説を読み、「至福」という言葉についてしばし考えてしまった。
今回の本は「平成時代の名著50」と読売新聞が銘打った中の一冊のドキュメンタリーである。話の展開がどう進むかということは大体理解しているし、結末も分かっている。しかし「本を読む」という時間の経過に「至福の時を過ごす」という思いを抱くという表現がふさわしい時があるとしたら、一晩で読み終わった、この悲劇のドキュメンタリーのほうがずっとそれに相応しいと思った。
極寒のシベリアに抑留され帰国を待ち望みながらもその願いを果たせぬまま病死した山本幡男、彼が書いた母親宛て、妻宛て、4人の子供宛ての遺書を、書き物をもって帰国が許されぬ外状況のもと、戦友たちが手分けして文章をそのまま暗記し、帰国後それを遺族に届けるという夢のような実話である。
そのメインのテーマはもちろん感動的だが、それと同時に地獄のような収容所の中で希望を失わず、回覧板をつくったり、句会を開いたりして、友に生きる力を与えていた山本幡男の生き方が胸を打つ。
戦後11年、日本が驚異的な復興を展開している時期に、極寒の地で苦しみ、そしてそのまま帰国できず無念の死を遂げた多くの人たちのことを改めて想い、深く合掌した。