曽我栄子さんと「椿姫」2019年02月08日 15:21

我が町のコミュニティセンターで開催されたガラ・コンサート、入場料800円でプロの素晴らしい歌声を聴くことができるというので、いつも満員の盛況、今回は「椿姫」のアリアが中心だ。
きょうは聴衆の中に、その昔、NHKテレビ大晦日「第九・合唱」でソプラノを歌い、日本のオペラ界の一時代を築きあげたプリマドンナ、二期会の曽我栄子さんをお招きしてのコンサートだ。彼女はもう45年以上も我が町の住人でいらっしゃる。
今回は、鹿又さんをはじめ、歌手たちはみんな曽我さんの指導を受けている人ばかり、かつての師の前で緊張するとおっしゃっていたが、みなさん、素晴らしい歌声を聞かせてくださった。

認知機能テスト2019年02月18日 01:04

19歳で運転免許を取得してから55年、75歳以上になると認知機能テストを受けなくてはならない。本日、多少緊張してそのテストに臨んだ。
一番難しいのは、16種類の、何も関連性のない絵を見せられた後、どんな絵があったかを記入するという試験だ。その絵はABCDと4つのグループになっており、それぞれに16種類、合計64種類の絵がある。テスト開始の時までABCDのうちのどのグループが使われるかは分からない。
1年前に経験した夫からも、友人からもやり方の詳細を聞いていたので、周到な準備をだいぶ前から繰り返し練習してテストに臨むことができた。というのも、警視庁のサイトにはこの絵の4つのグループがUPされており、誰でも予習はできるようになっているのだ。
友人の中には、全部暗記して臨んだけれど、わざと一つ二つ間違えておいたという人もいる。予習をしては、いけないのかも、と思ったそうだ。
さてさて、今日、教官が広げたのはDグループだ。予習では4つのグループを覚えなくてはならないので、時折グループの中身がごっちゃになる。その辺を気をつけながら、Dグループの1枚目(下の絵の左端)には「「アコーデオン」から音楽が流れると「汚い足」を丸出しの男が「刀」を持って「テレビ」に現れ・・・などと頭をフル回転させて記憶したストーリーを思い出しサッサと手早く書き全部正解、100点の評価をもらうことができた。

足利事件についての2冊の本2019年02月25日 01:09

同じテーマの、すごいドキュメンタリーを2冊続けて読んだ。1990年に栃木県足利市で起きた少女誘拐殺人事件の真実をとことん追究する二人の筆者の姿に感動する。
「殺人犯はそこにいる」は日本テレビ記者清水潔氏が、栃木県と群馬県に隣接した2つの市で5人の少女が行方不明になった事件を同一犯の犯行と考え、まず、唯一逮捕者が出た足利事件の犯人として逮捕された菅家さんの無罪を信じて行動、テレビでの特集番組をも行うという話で、作品のほとんどは足利事件の冤罪について語られる。
そういえば連続して少女誘拐事件が続けてあったこと、そして、その特集番組もあったことを少し思い出した。彼は真犯人を知っているとまで記し、実際に犯人と信じる男を訪問して質問までしている様子の描写には驚く。
一方、「幼稚園バス運転手は幼女を殺したか」は、幼稚園バス運転手だった菅家氏の無罪を信じながらも、2審でも「無罪」をかちとれなかった菅家さん、犯人としての菅家さんではなく、いざとなると検察側の執拗な追及に負けてしまう弱い人間そのものへの疑問、観察などが実に丁寧に描かれる。一方、検察側の「間違い」がどのようにして作成されていくかを厳しく見つめる観察力にも感動する。菅家さんを無罪とは信じていなかった最初の弁護士の人間性なども興味深い。
5件もの幼女誘拐殺人事件がそのまま解決されないままに平成も終わろうとしている。
「殺人犯は…」では冤罪かもしれないまま刑が執行されているという驚くべき誘拐事件の存在も述べられていたが、もうひとつ、足利事件でも冤罪の原因となったDNA鑑定の不確実性さにも驚く。「報道」そのものにただ溺れないようにすることが大事ということをもっと思い知る必要があるということだろう。

{ROMA]はオスカーを獲得するか2019年02月25日 01:13

いよいよアカデミー賞の発表の日がやってきた。今年は、候補作品のうち「ボヘミアン・ラプソディ―」と「アリー・スター誕生」の二つは観ていたが、もう一つ、「ROMA」という、劇場公開をしていない映画、ネットで配信されている映画が、作品賞をはじめ、外国語映画賞、監督賞、主演女優賞、等々10個もの賞にノミネートされているというので、発表を何時間後にひかえた時に夫とテレビの前で「ROMA」を鑑賞する。
舞台はメキシコ、欧米に侵略された国々の例にもれず、国の中心にいるのは征服者のスペイン人、労働者は先住民族のインディオという環境だ。1970年頃の政情不安定な時代を背景に、医者のスペイン人一家に仕える家政婦クレオを中心に話は展開する。彼女は、4人の子供たちに慕われ、掃除や洗濯に精を出しているが、あるじの夫婦は夫が浮気をしていてうまく行っていない。山のような洗濯や掃除、食事の支度などの間にはクレオは仲間たちと遊ぶ時間も持っているが、従兄弟に紹介された、武道が生きがいだという男と関係をもったために彼女の人生は……
「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、自身の幼少期の体験をもとに描いた作品だそうだ。子どもたち4人の末っ子、一番クレオに甘えていた子供がキュアロン監督らしい。政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台の、監督が経験した光景、特に最後のほうの海は印象深かった。幾つかオスカーをもらえそうな感じがします。 それにしても、犬の糞の描写、あれはちょっとおかしいのではないでしょうかねえ