カミュ「ペスト」2020年05月02日 23:50

不条理がテーマだというアルベール・カミュの「ペスト」、いつか読んでみたいと思いつつ、いつも本箱の隅っこにあるのをチラッと見ているだけだった。しかし世界中で新型コロナウイルスによるパニックが続く今こそ読む時だ、思い切って読書開始、しかし字が小さいのでKindle本を手に入れて挑戦することにした。
まず翻訳に拒否反応が出てしまったが、そこは悪態をつきながら乗り越え、結構長い作品を何とか読み終えた。医者のリゥーを中心に彼の周りの人たちのペストと戦う姿は、いま世界中の人々が強いられているロックダウン(日本の場合はStay Homeのみ)というシステムの中で、感染者の棒グラフや折れ線グラフに一喜一憂している現実の我々の世界と重なって迫力満点だ。
それにしても、海外の施政者が言う「ロック・ダウン」と我が国のそれ「緊急事態宣言」との違いにつくづくと思いをはせた事件ではある。