浅田次郎「プリズンホテル」2013年07月21日 22:11

浅田次郎「一路」の感想をフェイスブックに載せた折、「プリズンホテル」を読むように勧められたのがきっかけで、またまた、とびきりばかげていて、そしてとびきり笑える浅田ワールドにはまってしまった。暴力団の親分が経営するホテルに、いろいろな人が泊まって、繰り広げられる話だ。
ヤクザも、このホテルの中では、実に愛すべき人種として描かれる。
文章は、リズム感があって読みやすいし、話のプロットも実によくまとまっている。そして、登場人物がみんなおもしろい人たちで、その描き方も大変うまく、すべてがおかしい。
ただ主人公の「ぼく」はいただけなかった。とにかくか弱い女に暴力をふるうようなマザコン男の話は、どうしてもついていけません。その部分は笑えないままに、斜め読みでござんした。