海よりもまだ深く2016年06月02日 23:23

是枝裕和監督、阿部寛、樹木希林と聞けば、あの名作「歩いても、歩いても」を思い出してしまう私、「そして父となる」はあまりいいとは思わなかったので、今度こそ、と期待感満載で観に出掛けた。結論は、「まあまあ」といったところかな。バスの中のシーン、蝶を追いかけるシーン、「歩いても…」のいろいろなシーンを思い出した。今回は阿部寛のダメ男ぶりが際立っている。ちょっと阿部寛は格好良すぎるかなといったところだが、ダメ男ぶりがなかなかうまい。樹木希林は相変わらずの演技、彼女をみているだけで楽しい。
現代の日本人の日常の会話や生活が随所に織り込まれていて、確かに、みんなこういう感覚で人生を送っているよなあ、と考えさせられる。
樹木希林が、すぐ死んで思い出に出てくるのと、長く寝付いているのとどちらがいい、と自分の末路をダメ息子の阿部寛の顔を覗き込みながら、聞くシーンは、このダメ息子に、まだ、愛情を注ぐ老母の感情が出ていて、印象に残る。
妻に去られても、何とか元のさやに納まらないかと悪あがきする息子がコミカル。質屋のミッキーカーチス、探偵事務所のリリーフランキーもいい。小澤征悦は太ってもう主役を張る顔じゃないので、子憎たらしい敵役がちょうどいい。

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