半藤一利「幕末史」2013年10月27日 11:28

とかく歴史には弱い私だが、明治維新のところは、読んでも観ても、いつもおもしろく思う。NHKの「八重の桜」も、明治維新で賊軍といういわれなき汚名を着せられた会津が舞台という、珍しい設定の話で、大変興味深く観ている。 この半藤一利の本は、講演の内容をテープ起こししたものであるが、内容が大変濃くて、いままであまり語られてこなかった明治維新の本質を丁寧に説明していて大変おもしろかった。 「尊王だ」「攘夷だ」だ叫んでいる人たちが、結局は権力争いの中で簡単にその主張をかえてしまうといった経緯、維新前は「天皇(テンノー)」という呼び方はなかったのに、山県有朋などが、そのうまい音(オン)を世間に広めたこと、その山県有朋は足軽以下の下級武士だったせいか、職を失う維新後の武士への同情はまったくなく、徴兵制の設立に熱心に尽力した・・・等々、おもしろい話がいっぱいあった。廃藩置県で、朝敵藩と曖昧藩という呼び名が存在し、県名と県庁所在地の命名にも影響したなどという話も興味深く読んだ。

コメント

_ はるしん ― 2013年10月28日 19:41

彼ら維新の元勲が孝明天皇を毒殺したのはほぼ事実。明治以降天皇家が神格化された訳ですが、勝者によってつくられる歴史とはこわいものです。万世一系の天皇家って非常に疑問です。

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