菊地裕介 ピアノリサイタル2014年06月02日 12:01

新鋭のピアニスト、菊地裕介さんのピアノリサイタルに出かけた。フランス語の仲間である裕介さんのご祖母からの案内をいただいたということもあるが、シューベルトのソナタを生で聴いてみたいというのが主な動機だった。
 シューベルトのソナタ21番の第1楽章で何回も繰り返される単純な出だしのテーマはやはり印象的、そして、第4楽章でのクライマックスが圧巻だった。彼の、鍵盤上で交差された腕と指から音が飛び交うテクニックはすごい!
 自由席だったが、たまたま私の席は彼の手がよく見えるところ、暗譜で細かい音符を引き続ける動きに、感動しながらも、「腱鞘炎」にならないかしら、と心配したぐらいだったが、なんと、それはコンサートがアンコールの段階になっても、なお続いた。
 プログラムの曲目が終了後、彼は、2月の大雪時のリサイタルに演奏した「展覧会の絵」を、大雪のために会場に来られなかった人のために弾くというのである。アンコールにはベートーベン・ソナタの第2楽章あたりかな、と予想していたが、そこで、約30分も続くムスログスキー「展覧会の絵」が演奏されたのである。「すごいエネルギー、そしてサービス、若いのねえ」と感心しながらホールを後にした。