METライブビューイングの「リゴレット」@新宿ピカデリー2013年03月13日 17:24

今回の公演、時間は1960年代、場所はラスベガスのカジノという斬新な設定で、ネオンがチカチカと舞台を照らし、最後に死に行く娘はキャデラックのトランクの中での熱唱する、といったようなすごい展開だったが、その大胆なチェンジが見事に成功して、素晴らしい舞台になっていた。
何より、歌手たちの見事なこと! まず主役のルチッチ、「ルチッチさん命」というFBの友がいるので、その魅力をぜひ解明したいと思って観に行ったという事実もあるが、彼の深みと張りのある伸びやかな声、こういうのをヴェルディ・バリトンというのだろう、と感心して聴きながら、オペラに精通した友人がファンになったことを納得した。またインタビューでは彼の誠実さがよく出ていたと思う。
それからソプラノのダムラウ、ちょっと若い時のメリル・ストリープに似た美人だが、これもすばらしい声の持ち主で聞き惚れた。ちょっとオデブで、本人もインタビューで「私を運ぶ人が大変」と言っていたが、太っているのもご愛嬌かもしれない。
写真で見る限り容貌は冴えないベチャワ、この人、動きがあるとなかなかステキだし、何より素晴らしいテノールで「女心の歌」に酔わせてくれた。
最近は、オペラを現代の話に設定することが多いようで、あまり感心できないものが多いような気がするが、今回の公演は、まったく違和感なく面白い舞台になっていたのは、ブロードウェイで活躍している演出家、舞台装置や衣装の担当の人たちの功績が大きいのだろう。

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